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ぴーちゃん

今日、ぴーちゃんが亡くなった

母の妹であるぴーちゃんの家族は
同じ千葉県内に住んでいるので

私が子供の頃は車で3時間くらいかけて
家族で木更津へよく遊びに行っていた

ぴーちゃんの一家が住む家は
古いトタン屋根の借家で、そこに20年以上住んでいたが
先月、病院から近い家へ引っ越した

ついこの前、私がお見舞いに行った時
そのトタン屋根の家にも寄った

何度も観た風景、遊んだ空き地、
本当になんでもない家なのだけど
そこには人がいて、記憶があって、色んな事を思い出した

人がいなくなった家というのは、本当に寂しそうで
家自体、どんどん痛むことがわかった
その思い出が全部消えてしまいそうで、とても悲しかった

ピーちゃんは、色白で髪も茶色
色素の薄いおばさんだった
食べ物が好きだから
まるまると太っていて、白くてつるつるだった

姪っ子というのは可愛いのだろうか
とてもかわいがってもらった思い出しかない

いとこの中でもいちばん歳が末っ子の私に
いちばん美味しい食べ物をくれたのはぴーちゃんで
「ほら、まりん、早く食え!」と荒々しい相馬弁で言ってくれた


木更津の家に行くと、
質素で物が少ないながらも整理整頓されている様子に
子供ながらに、いいなぁ、といつも思っていた

ぴーちゃんと布団をひくとき
適当にシーツをかけたらおこられた
「こういうのは、ぴしっとしないと気持ち悪いだろ」ときれいに直してくれた

自分の母とはまた違うお母さんみたいで本当に大好きだった



ピーちゃんは子宮頸癌で死んだ

今回の最後のぴーちゃんの姿を見て
ほんとうにガンは恐ろしくて、憎い存在だと思った
目に見えないのに、生きる命を少しずつ奪っていく

ガンを直す薬はない
あるけど人間の他の細胞まで殺してしまう

途中経過を見ていないだけに
ほんとうにショックだった

あんなに太って元気そうだったのに、一ヶ月動けなくなるだけで
人間の手足は筋肉は全てなくなってしまう
筋肉を作るのは大変なのに、なくなるのは一瞬なんだと思った



日曜日にお通夜、月曜日にお葬式

人は死んだら、どこにいるんだろう?
どこへ行くんだろう?

初めてここまで考えた
身近だった人が初めて死んだから考えたことがなかった


友達が言っていた

「死んだら何もない、死んだ人は、眠っているのと一緒
周りは悲しいけれど、本人にはわからないし、何もない」

そうかもしれない


思い出も、持ち物も、最後は全部なくなって
魂だけが残り眠る

人は何のためにこんなにもあくせく働いているんだろう
物に囲まれて生きているんだろう
あの世には魂しか持っていけないのに



ぴーちゃんは、この人生、幸せだったかな


泣くと、外反母趾が痛む
by picnic_marin | 2013-02-23 01:46 | 2013 東京 | Comments(0)

日々の暮らしの事


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