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ブドウ畑の食卓より

前回の記事、ボルドー観光の続きです。


朝、ボルドー中心部から40分ほど、レンタカーを走らせ
彼の仕事仲間で友達の、フィリップのお宅に招待されてお昼ご飯。


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フィリップの奥さんが作ってくれたクスクスのサラダ
奥さんは、20年アメリカで住んで、20年フランスに住んでいます。
いまはすっかりフランス人ぽい。

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季節のフルーツがのったタルト



突然ですが、自分が言葉で苦労している話を書きます。笑
お昼ご飯の時にいた、みんなの言語環境です。



私→日本語、フランス語(中級)、英語(2歳レベル?)
彼→英語(母国語)、フランス語、日本語
アリーン→英語(母国語)
レスリー→英語(母国語)
フィリップ→フランス語(母国語)、英語
フリップの奥さん→英語(母国語)、フランス語


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左から私、レスリー、フィリップ、アリーン、フィリップの奥さん
彼はカメラを撮っています。

あ、私、これでも目開いてますよ!笑



ゲストのうち、2人が英語しか話せないので、
このお昼ご飯でも言語は、英語になります。ガーン。

私以外全員は、英語を母国語レベルに話すので
話にはついて行けるわけもなく、
もう、ほんとう大変で、みじめなものです。

昔はこういう時は、後で泣いたりして、英語なんて嫌いだ!とか思って
グズグズ悩んでいましたが
最近はそんな悲観的になっても疲れるだけなのだな。と気がつき、

まあ、英語のリスニングだけでも勉強になるか。
とプラスに考えてみんなの発音を聞いてます。
理解できる話があったら、たまに自分からも話します。


ちなみに、彼と私はいつも日本語と、変なフランス語で会話しています。
だから、英語はさっぱり、成長しないんです。

でも、ワインエキスポを一緒にまわってたアリーンとレスリーとは、
なんとか英語で話していました。
短期間でも少しは話せるようになった実感があったので
かなり勉強になったのだと思います。

彼が日本語を話せることは、かなり語学の勉強にならなくなります。
しょうがないけどね。


アリーンとレスリーはすごいおもしろい人たちで、
言葉が通じなくても一緒にいて本当に楽しかったです。

ゆっくりわかりやすく話してくれるのに、自分ができないもんだから、
もっと英語ができたら、もっと話せたら! と思うことが本当に多くて
悔しい想いをたくさんしました。




フィリップ宅からまた車で30分ほど行って

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この辺に来ました。左の灰色のがボルドー中心部です。


輸入先のワイナリーへ挨拶をしに行きました。

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今ぶどうの大きさはこのくらいです。

とても細かい行程なので知らない方が多いと思いますが
ぶどうの上にかぶって、影を作ってしまう葉っぱを刈る作業があります。

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このようにぶどうの上に葉っぱがわんさか生えて、
日傘のような感じになってしまうのです。

太陽に当たれなければ、ぶどうの味に大きく支障が出てきてしまいますから
刈り取らないといけません。


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ぶどうを切り取らず、上の葉っぱだけを刈る機械です。


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これ、刈り取ったあと。

ワイナリーの人がいうには、この行程をしていないワイナリーもあるそうで、
そういうワイナリーはワインにパッションがないんだ!と言っていました。


参考にと、そういう畑へわざわざ連れてってくれました。

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違い、わかりますか?
上の方の葉っぱやツタが完全に伸びきっているのがわかります。



蔵の中です。

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フランスの古い家もそうですが、
壁が石でできていて、かなり分厚いので、日中、外が暑くても
中はひんやりクーラーをかけているような涼しさになっています。

これは日本や、アメリカでは、ほぼない文化です。
家の作りの違いでここまで温度差が違くなるとは、
最初はびっくりしました。


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バリック(樽)に入ったワイン。
ワインには樽に入れるワインと、入れないワインがあります。


私は一年前くらいまで、樽とかいったいなんなんだろう?
と、意味が全然わからなかった人です。
自分の整理のために、わかりやすくここにも説明させて頂きます。


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樽に入れると木の香りがワインにうつり、味わいも増します。
だいたい樽に入れる期間は、半年〜1年が基本です。
長くても1年半といわれています。

樽は、5回使ったらもう捨てないといけないわけです。
ということは、約5年に一回、樽を一斉に買い替えなければならないということ。

回数を使うごとに痛んでくるので、
買ってすぐの樽に入れるワインはとても香りが強く、美味しくできそうです。


ここのワイナリーは、フランスの樽と、アメリカの樽を使っています。
それぞれ味の違いをつけたいからだそうです。


私が「フランスの樽のワインのが、アメリカの樽のワインより美味しいですね」と
言ったら

「いや〜そう? そうだよね〜。僕もそう思うのよ!
やっぱりフランスのだよね〜!わはは!」

と言われました。(すっごいフランス人ぽい発言です。笑)


樽は、とても高値なものです。
いくらくらいかというと、写真に写っているサイズの樽で(600リットル)

アメリカ産の樽は、600〜700ユーロ(約7〜8万)
フランス産の樽は、900ユーロ(約10万)

ワインの熟成の際、樽を使うか使わないか、
こういった違いで、ワインの値段が変わってきます。

他にも
ブドウを育てるのに手間がかかる品種だから、とか
歴史がある畑で育てたワインだから、だとか

そういった理由でワインの値段に違いがでてきます。
(もちろん他にもいろんな理由あると思います)



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ワイナリーのおじさんが、樽ごとに、ワインの試飲をさせてくれました。

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濃いいなぁ。美味しい。

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このワイナリーのおじさんは、とっても感じのいい素朴な方でした。
おばあさんがイタリアから移民してきたイタリア系のフランス人です。
そのせいかイタリアの太陽のような陽気な田舎のおじさんという感じ。
素敵な方。


voilà ! voilà !! exactement !!
(そうだよね!ね!そうでしょ!その通りでしょ!みたいな…)

を連発する典型的な南の田舎の人で
全然話を聞いてくれてないような気がしましたが(笑)
私達がワインのことで質問すると、
とても嬉しそうに、答えていました。
ちょっと話が長いけど。
うれしいのだろうなぁ。と思いました。

このおじさんが、voilà! をあまりにも何度も言うので
ニューヨーカーのレスリー、アリーンが帰りの車の中で
ふざけて何回も何回も言ってました。

voilàに、はっきりした意味もないのですが、
フランス人はvoilàとよく言いますね。口癖のようなものかな。



また車を30分ほど走らせ、違うワイナリーへ。
以前、記事にかいたこともあるコード家へ再び訪れました →その時の日記


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ついてすぐ、みんなで畑を散歩していると、
前にも会った猫ちゃんが私達を迎えてくれました。


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この猫は本当よい子で、誰にでもよくなついて、とてもフレンドリー。


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犬とも仲良しなんです。でもまだ2歳なのでまだやんちゃ盛り。
5歳の犬のしっぽでじゃれだして、犬はやめてくれ〜と言ってる様子。


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メルロー種の木で爪とぎをしています。
ワイナリーの猫は、ワインの木で爪とぎをするんですね…笑


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おいしそうな桃がなっています。
「甘い匂いがする。」と言ったら
お母さんが、「どうぞ持って帰りなさいよ!」とたくさん摘んで
手のひらいっぱいに桃をくれました。いい匂い。夏の匂い。


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特に手入れをしている様子もなく、勝手に桃がなるそうです。
恵まれた良い土地なんですね。

次の日、私は桃のタルトを作りました。また後で書きますね。



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また何か赤い実がなっているな〜と思って、「あれ何?」と聞いたら

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9歳のアリックスちゃんが摘んでくれました。

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フランボワーズでした。
「はい、食べて」と私達大人に配ってました。とっても優しい子です。
甘酸っぱくてとびきり美味しかったです。


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ゆっくり日が暮れてきました。
フランスは今の時期、日が暮れる時間が日本よりもっともっと遅いです。
21時半くらいにやっと薄暗くなってきます。

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たしかこれで20時くらい。



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庭にはニワトリがコケコケ。


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さてテイスティングルームに集って、アペリティフ。
いろんな白を飲みました。


アペリティフというは、わかりやすく言うと
日本で言ったら最初の一杯のビールと少しのつまみ。みたいなものです。
(ちょっと違うかもしれませんが、そんな感じの文化があります)


アリックスちゃんも、私達のアペリティフに付き合ってました。

自分でみんなと同じのワイングラスに、苺シロップと水を入れて
のんでました。(フランス人が夏によくのむジュースみたいなもの)
かわいい。


フランスの子供を見ていて、関心するところは
静かに席について、大人の食事に参加ができるところだと思います。

私は子供がいないので、そのすごさはわかりませんが
子供ってあきちゃうと走りだしたりするものですよね。



前にパリであるお宅に招待された時、
3歳の男の子と、9歳の男の子がいたのですが、
食事中しずかに座って、3歳の子でさえ私達の会話に参加していました。
料理を運んだり、手伝ったりもします。(ちなみにゲストは基本手伝いません)

フランスの一般家庭では、お客さんを気軽に招く文化があります。
だからそういうコミにケーションに慣れているんだな〜と
関心したのをよく覚えています。


一番びっくりしたのは、3歳の子が、食事中に「トイレに行きたい」と言ったら
「今ではなく、デセールの前に行きなさい」
とお父さんに言われて、「やっぱりそうだよね。はあ。」と言った感じに
子供も普通に我慢していました。
これにはびっくり。いや〜しっかりしてます。


もちろんどの家庭もそうではないだろうな、と思いますが、
フランスではお客さんが来たときは、
子供はしっかりホストを勤めるものなのだろうな、と思いました。
大人の対応が求められるわけですね。

フランス人は15歳とか若い子でも、しっかり落ち着いた子が多いのは
そのせいなのかもしれません。


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上の子です。シャイだけど、ワインを開けたり、みんなについだり、
しっかりお手伝い。


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紙のナフキン。これもアリックスちゃんが用意したそうです。
かわいいね。お花でしょうか。

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前菜は、庭で採れたインゲンと、メロン。
インゲンはただドレッシングで和えただけですが、
野菜の味が強くて、美味しかったです。


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メインは鶏の丸焼きでした。
「ただオーブンで焼いただけよ。うちの料理はシンプルでしょ。」
と言ってたけど、それだから美味しい。

今日の私達のために雄鶏を一匹しめてくれたそうです。
ありがたいことです。さっきのニワトリたちだ。

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日本の田舎でも、来客の時には、兎や鶏、猪など裁いてくれたりしますよね。
フランスの田舎でもそういうのは一緒なんです。


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メインのあとチーズ。この地方のものが多かったです。



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デセールはシュークリーム。アリックスちゃんとお母さんで作ったのだって。わ〜
コーヒー味、キャラメル味、チョコレート味とありました。


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コードの家族のみなさん。

ほんとうに仲がいい家族で、みていて温かい気持ちになりました。
いつか家族ができたら、こんな風に温かい家族がいいな。って思います。
毎日自分たちで作った野菜を食べてて、動物と仲良しで、
毎日健康的。羨ましい。


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そういえば、このディナーと時、昼とは逆で
コード家はフランス語しか話せないので、みんなフランス語で話しました。

なので、アリーンとレスリーは大変そうでしたが、楽しそうでした。

レスリーは小さい辞書を持っていて
「フランス語で美味しいってなんていうの?」とか
「美しいってなんていうの? え?Joli と belle のなにが違うわけ?なんなの?」

と質問したり、前向きです。
話せなくてもいい、前向きな人が素敵だな。そう思います。


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最後に女性みんなで。
食事が終わったのは0時頃です。

田舎道を1時間半ほど走らせ、トゥールーズの田舎の家に到着。
アリーンとレスリーをゲストルームに案内して眠りに着いたのは2時くらい。

この日はずっと移動、ワイン、移動、ワイン、という感じで
さすがに疲れて、バタンキューでした。
Commented by yumiko-to-mozart at 2011-07-03 10:20
まりんさん^^こんにちは。

食事のことやワインの事、楽しく読ませていただきました!
ワインの樽の事や、葡萄の葉の事など、ふむふむ・・と勉強になります。
アリックスちゃんもお母さんも、普段着っぽいですがアクセサリーをつけて、日本ではお家で普段着でアクセサリーつける方少ないですよね。
外国の方のこういうところが素敵だなと思います。

桃のタルト!想像しただけでも美味しそうです☆
Commented by eric at 2011-07-05 15:42 x
きれー
ブドウ園行って写真撮りたいーーー
Commented by kagedesu at 2011-07-05 20:53
フランスの田舎町のご家庭に、招かれたりしてみたーい!お客さんをもてなす気持ちや、料理、おもてなしが、ほんと心温まる感じで、素敵だねぇ。娘さんも大人と交えられちゃう、大人だなぁ〜、好奇心旺盛なんだね。とにかく、マリンちゃんとその周りの方の空気感が、じんわり伝わってくるようで、こちらまで良い気持ち〜。葡萄畑の景色も、素敵だね、黄緑色のぶどう、葉っぱをよけてあげる作業、大変な手間だねぇ〜、感心ですぅ〜。
Commented by picnic_marin at 2011-07-05 22:32
yumikoさん
アクセサリーまでよくみてますね!私そこまで気がつかなかったです。
言われてみて思い出してみれば確かにそうです。ほとんどの子供がピアスなどは普通につけています。アリックスの小さな赤いスカーフ、なんだかかわいいですよね。お気に入りなんでしょうね。
Commented by picnic_marin at 2011-07-05 22:33
eric
私は今はブドウ畑じゃなくて、ブドウ園のがいきたいよ。
ぶどう食べれるから!巨峰も食べたいな!(^^)
Commented by picnic_marin at 2011-07-05 22:39
kageさん
いわおちゃん?だよね?ちゃまさまかと一瞬思った!笑
お客さんをもてなすけど、気をつかわせすぎない自然な感じとか、シンプルな料理とか素敵だなあ〜と思ったよ。
ぶどう畑とか、その周辺で自然に囲まれているひと、みんな表情が優しくなる気がするよ。写真の空気もなんとなく。

by picnic_marin | 2011-07-03 01:59 | 2011【FR】南西部 | Comments(6)

日々の暮らしの事


by picnic_marin